令和6年8月27日、岸田総理は、総理大臣官邸で第12回GX実行会議を開催した。会議では我が国のグリーン・トランスフォーメーションの加速に向けて議論が行われた。 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べた。
「これまでの2年余、委員の皆様方には、それぞれの立場から高い御見識を御披露いただきました。心から御礼申し上げます。そして皆様の総意としてお話のあった申し入れについて、政府を代表して、しっかりと受け止めさせていただきます。
初回に、この会議ではスピーディーな実行を何よりも重視する、このように申し上げた。会議の議論に沿って、従来の政策を深化させ、あるいは転換する取組に次々と着手し、具体化してまいりました。
150兆円超のGX投資を引き出す『成長志向型カーボンプライシング』、その呼び水の財源となる20兆円規模の『GX経済移行債』、新たな官民連携の土台となる『GX推進機構』、再エネ強化、原発再稼働・新型革新炉など脱炭素電源の強化のための『GX電源法』、安全保障・脱炭素・経済成長を同時達成する『one goal、various pathways』の提唱、日本の課題解決力とアジアの経済活力を結合していく『AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)構想』、そして次世代技術の実装や『くらしGX』の推進。
いずれも道半ばです。さらに、AI(人工知能)や技術革新の急展開への対応も必要です。 GXへの取組は国力そのものを左右する。こうした認識の下、一貫した取組を不断にバージョンアップし、試行錯誤を恐れず迅速に実行していかなければなりません。その土台は、この会議でしっかり作っていただきました。ありがとうございました。
私自身は、残された任期の間に、GXを一歩でも前進するため尽力してまいります。その一つが、東日本における原子力発電の再稼働の準備です。
東京電力福島原発の事故以来、東日本は、東京湾や太平洋沿岸に集中する火力発電に7割近くを依存し、災害リスクに脆弱(ぜいじゃく)です。再稼働が進んでいる西日本に比べて、電力料金の東西格差も生まれています。将来の産業競争力を左右するメガデータセンターの立地申し入れも相次ぎます。
安全性の確保を大前提としつつ、地元理解を得た上で再稼働していくとの方針に従って、新規制基準に適合した柏崎刈羽原発について対応してまいります。
柏崎刈羽原発については、原発事故を起こした東京電力への不安の声があることは正面から受け止めてまいります。地元の理解を得て再稼働を果たすためには、地元からの要望を踏まえ、事業者と政府が一体となって対応しなければなりません。そのため、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関する全ての閣僚が出席する形で、原子力関係閣僚会議を来週開催し、対応策の具体化に向けて確認と指示を行います。
最後になりますが、改めてこの2年間、日本の将来にとって重要な、不可欠な論点について、深い御議論を頂き、心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。」
GX推進で1兆2000億円要求へ 脱炭素製品の供給網整備、EV導入 経産省など
2025年度予算概算要求で、経済産業省などが脱炭素に向けたGX関連として、1兆2000億円規模の投資促進策を要求する方向で最終調整している。
次年度以降に支出できる「国庫債務負担行為」を含めると総額1兆6000億円規模に達する。具体的には、軽くて折り曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」や洋上風力発電設備など革新的な脱炭素に寄与する製品の国内供給網構築に、2555億円を充てる。電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などの導入支援として1444億円も求める。
この他、原発関連として次世代革新炉の研究開発支援を要求。持続可能な航空燃料(SAF)の製造設備・供給網整備の支援も盛り込む。27日開催のGX実行会議(議長・岸田文雄首相)で提示された。
以上
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